N社はスポーツ用品の総合商社を行っている企業です。創業50年以来、官公庁や多くの一般企業と取引をしておりました。しかし、近年の不況の影響で売上げが伸びず、経営者の代替わりと共に、その経営者の方針:打開策としてインターネットでホームページを作成することにしました。
当初は、自前の企画部とホームページ作成業者:X社の協力にて、ホームページを作成してもらいました。
今回の責任者に選出された、S社の企画部所属R課長とホームページ作成業者の間で“未来のお客様”(見込み客)の立場に立った最適なモノを作る事を念頭に、コストパフォーマンスまでも考慮に入れて張り切ってその作成に取り掛かっていました。
R課長とX社は、N社の実情を分析し、当時正社員を一番多く投入している、新規客の獲得業務にホームページを活用することにしました。
<具体案としては>
・A事業部・・・契約は取り易いが、取引金額は少ない。
しかしそのお客様は将来B・C事業部のターゲット先にも成りえる。
・B及びC事業部・・・取引単価が高く再販がし易い。ただ、ライバルも多く取引開始が困難
上記、三事業部のうち、新規客を一番獲得し易いA事業中心に宣伝する事で、ホームページを“A事業限定の集客ツール”として制作し、SEO対策やリスティング・バナー広告などの手法で新規客を獲得。次に社内での営業プロセスも調整しました。
さらに、企画部がホームページからの問合せや注文などを一括管理し、販促案を打つことで、新規客の獲得業務から解放された営業たちは、既存客になったお客様への拡販に専念出来る社内営業プロセス改革も同時に提案しました。
しかし、ある日経営者の目に止まったチラシには、「いま流行のお洒落なホームページにしないと駄目ですよ」と言うホームページ作成業者:Yの言葉を信じ、コンピュータに詳しくなかった経営者は、お洒落な画像をふんだんに使ったホームページを作ってもらう事に急遽変更しました。そして、同じサイトにA・B・C三事業部の内容をばらばらに掲載しただけ、また社内営業プロセス改革の提案も却下しました。
その時、ホームページ作成業者:Yに支払った金額が「150万円」。決して安い費用ではありませんでしたが、将来につながる先行投資だと思って、このお金を払ったそうです。
確かにお洒落なホームページだったそうですが、目的が不明確なホームページでは、お客様からのお問合せはほとんどありませんでした。当然、売上げも増えません。
そこで業者Yに相談した所、「万人が喜びそうなコンテンツを、もっと増やさないと駄目ですね」と言われて、最新技術を駆使した音やアニメーションによる、よりお洒落なコンテンツを作ってもらいました。
これにかかった追加費用が「80万円」。でも、売上げ(集客)にはつながりませんでした。
ここからが、負のスパイラルの始まりです。
経営者の考えで「作成料に多額な費用を費やしているので、R課長が参加している事は余計な出費(人件費)、Yに任せておけば良い」と途中でR課長を外してしまいました。
意欲を無くした、優秀なR課長は他社へ転職してしまいました。
こうなると最悪です。N社ではR課長にホームページに関する全ての運用を任せていた為、Y主導でホームページが管理され⇒N社に意向によるホームページの更新は一切ナシ、当然ホームページに掲載した商品情報などは古いデータのまま、これではホームページを作りそこから問い合わせ・注文などが入るわけがありませんよね。
⇒ただ、管理費用だけかかるモノとなってしましました。
(毎日出社はするが、仕事はせず退社時間まで居眠りする社員を雇ったと同じです)
みなさんは、このN社に「こんなにお金払って、馬鹿だな~」と思われたかもしれません。実は、ここまで最悪ではなくとも同じ様な間違いをしている中小企業が多いのです。
ホームページあるいはインターネットと言われた途端に、コンピュータに詳しくない経営者のかたは、プロ(ホームページ作成業者)に丸投げしがちです。その結果、ホームページを作るのに多額のお金を支払うことになってしまいます。
しかも、高いお金を払って導入したホームページが、商売に全然つながらないと言う結果で終わってしまう事態も少なくないのです。